神の現存の認識

「神」を別の表現で表してほしいとたのまれたとします。その時、「存在」という言葉を 使うと良いでしょう。何故なら「神」は「存在」だからです。モーセが神に名を訊ねたと き、神は「わたしはある。わたしはあるという者だ」と答えられました。 これは、「今、わたしはここにいる」という意味です。神はまこと におっしやいます:「わたしはあなたたちのために、ここにいる」と。神は万物、特に私 たちと共におられます。イエスの名であるインマニュエルは「我々と共におられる」ということです。 マタイの福音書は次のすばらしい句でしめくくられています: 「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」。 (『万物に神を見る』ブライアン・グローガンSJより)

あなたの祈りを助けるためのエクササイズ:






































ボディ・エクササイズ       (『神、その驚くべき御業』ゲリーW・ヒュ ーズSJより翻案)

椅子に座り、背中は支えられている状態にします。背筋は伸ばして、楽にしていてくださ い。できるだけリラックスしましょう(この時、前かがみになったりなど、姿勢がだらし なくならないように注意します)。両足は前に出して床につけ、手は腿に置くか、ひざの 上で組みます。

目をつむるか、あるいは前方のほうに焦点を定めます。次に体の内で何が感じられるか、 すべての意識を集中しましょう。足元から始め、次第に上へ上と意識を向けていきます。 何かを感じると思う体の部分に数秒間、意識をとどまらせます。次にその意識を他の体 の部分へと移動させていきます。もちろん一ヶ所に意識を集中させる時間は長いほうが良 いです。さて、ここで注意です。あなたの意識は「何を感じているか」に向けられるので あって、「感じていることに対してどう思うか」に向けられているのではありません。と ころで、時として居心地が悪くなったり、体勢を変えたいという気持ちにかられます。そ の時は不快さを素直に受け入れ、「そのように感じることは全く問題のないことだ」と自 分にいいきかせましょう。動かないよう気を付け、そのまま体の内において感じられること に意識を向け続けます。

私たちは心の静けさを長くはなかなか保てないでしょう。意識を集中させている間には心 の中に邪魔が入ります。いろいろな感想と質問で私たちの意識をそらそうとするのです。 例えば「これは貴重な時間の無駄だ」、「これは祈りとどう関係があるのか?」、 「一体なんの意味があるのだろう?」などなどです。前述し た椅子の上で動きたいという衝動の時のように、素直にそれらを受け入れ、エクササ イズに戻りましょう。

もしよろしかったら、聖パウロの「我らは神の中に生き、動き、存在する」 という句を繰り返し唱えることで、明瞭な祈りに移ることもできま す。



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呼吸法       (『神、その驚くべき御業。ゲリーW・ヒューズSJより翻案)

このエクササイズでは呼吸という運動に対し、得られる感覚に意識を集中させます。故意 に呼吸のリズムを変えることはしません。

息を吸う時に冷たい空気が鼻孔から入り、息を吐く時に温かい空気が鼻孔から出ていくこ とに意識を集中させましょう。意識するあまりに、初めは呼吸が乱れることに気付くかも しれません。しかし通常、この状態は長くは続きません。もし、その状態が続き、息が切 れるようなことがあるならば、このエクササイズは現在のところあなたのためではないか もしれません。

このエクササイズを実行しているうちに、ほとんどの人は自分の呼吸のパターンが変化する ことに気がつきます。呼吸は深く、ゆっくりとなり、次第に眠くなってゆくでしょう。こ の呼吸法自体はとても良いリラクセーション・エクササイズです。しかし、より明瞭な祈 りのために使いたいのなら、次の方法があります:息を吸う時に、自分の人生の中で求め ている全てのもの(たとえこの練習の中で手に入れるのは無理のように思えても)を心の 中で描きます。反対に息を吐く時には、全てを(不安、過ち、罪、後悔に満ちた人生を) 神に委ねることを想像してください。

肯定的あるいは否定的になろうとなるまいと、自己判断をしないで上記のエクササイズを することが大切です。自分の中にある全ての不安を神に委ねたいという思いに意識を集中 させてください。まるで宝物であるかのように、不安にしがみつかないでください。



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リスニング・エクササイズ       (『四句節を迎えて祈る』ドイル・ ニアリーSJより翻案)


椅子に座ります。背筋は伸ばし、背中は支えられている状態にします。楽にしていてくだ さい。

聞こえてくる音に、耳をすましてください。・・・遥か遠くの音。 それらの音にただ耳を傾けてください。

それが一体何の音なのか今は考えないようにしま しょう。

かすかな音を心に留め、より近くの音に、耳を傾けてください。今はただ耳をすまして、 「音」の存在に気が付きましょう。

心臓の鼓動、かすかな音ですが、あなたの人生のリズム。

そしてあなたの祈りの場を取り囲み、あなたの内にある沈黙の響き。

このようにして数分間、これらの音に耳をすましてみましょう。


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