10月の共同祈願
主よ、私たちの日々の活動を祝福してください。私たちのすべての働きが祈りのこころで始められ、神への賛美となり、人びとの助けとなっていきますように。
朝の祈りにおいて:恵みを願って一日を始めよう
- 今日一日のすべての活動・働きを主にささげましょう。ただ自分のために働くのではなく、神への賛美となるように願いましょう。今日、大きな仕事がある人も、日常のいつもの小さな用事をする人も、たとえ寝たきりの人であっても、今日のすべての働きを主にささげます。
晩の祈りにおいて:今日一日の活動をふりかえってみよう
- 神への賛美と人への奉仕になったことがあったでしょうか。その点を神に感謝しましょう。自分のエゴや苦しみに囚われてしまったことがなかったでしょうか。その点を神に素直に謝りましょう。そして、明日のすべての働きがみ旨にかなうものとなるように願いながら、一日を終わりましょう。
みことば ~ヨハネ福音書14章12節~
「私を信じる者は、私が行う業を行い、また、もっと大きな業を行うようになる」
解説
今月の祈りのテーマは、私たちの活動や働きについてです。活動というと、例えば、「自分は定年でもう会社で働いていないので、活動はしていない」、「子育てで忙しく、教会の奉仕活動はしていないので関係ない」などと思われる人がいるかもしれません。活動ということばは、会社や教会の活動だけを指しているわけではありません。私たちの日常生活すべてにかかわる働きを指しています。
聖イグナチオの霊操の本には、1時間の黙想の前にかならず唱える準備の 祈りがあります。「自分のあらゆる意向と行動と働きが、ひたすら主への奉仕 と賛美だけに向けられるよう、主の助けを願う」(霊操46番)というものです。各黙想の前に唱えるということは、聖イグナチオにとって、祈りも行動 の一つと考えられていたからです。
この46番の祈りは、そのまま朝の祈りに使えるでしょう。「あらゆる意向 と行動と働き」とは、日常生活のすべてを指していることになるからです。
これは聖イグナチオの活動的霊性の核心にかかわっています。聖ベネディクトの教えでは、「祈り、働け(Ora et Labora)」がモットーでした。祈りと労働を分けて考えていました。聖イグナチオでは、祈りも活動の一つに加えられていて、自分のすべての活動・働きが神の賛美になるように願っていたわけです。
そして、晩の祈りでの大切なふりかえりは、そのすべての活動の中でどの ように神さまが働いたのかを見出していくことです。そのふりかえりを通して、私たちの生き方を整えていくわけです。聖イグナチオのモットーの一つ は、「すべてのものの中に神を見出す」というものでした。また「活動における観想的態度(Contemplative in Action)」とも言われます。
私たちの日々の活動が神のみ旨にかなっていくように、願い求めていきましょう。
祈り(朝の仕事の前に、次のマザーテレサの祈りを唱えてみましょう)
主よ、今日一日、貧しい人や病んでいる人を助けるために
私の手をお望みでしたら
今日、私のこの手をお使いください。
主よ、今日一日、友を求める人びとを訪れるために
私の足をお望みでしたら
今日、私のこの足をお使いください。
主よ、今日一日、優しい言葉に飢えている人びとと語り合うため、
私の声をお望みでしたら
今日、私のこの声をお使いください。
主よ、今日一日、人は人であるという理由だけで
どんな人でも愛するために
私の心をお望みでしたら
今日、私のこの心をお使いください。
祈りのカード 2017年10月(PDF)